今回から4回にわたって登場していただくのは編集者の一田憲子さん。『暮らしのおへそ』など、衣食住を通して日々を心地よく暮らすための提案をする雑誌や書籍の編集・執筆をされています。そんな彼女の自宅は、取材を通して出会ったアートがさりげなく飾れている素敵な空間。まずは一田家のアートやその飾り方を紹介していただきます。
好きなものを買える範囲で
少しずつ集めました
我が家に飾ってあるアートは、取材を通して出会った作家さんのものが多いですね。取材をきっかけにご縁ができて、展示会や作品展に伺って購入しています。無理をせず、買える範囲のものを少しずつ集めてきました。さまざまな作家さんのものがありますが、選ぶのが私なので、どことなく似ていて。意識して買ったわけではないのですが、気がつくと、クロスモチーフや箱ものが多く集まっていました(笑)。いろいろ飾ってはいますが、もしかしたらそんなところがリンクして調和が取れているのかもしれません。
玄関、居間、台所、廊下、至るところにアートを飾っていますが、たいていはサイズも小さめで色合いも我が家になじむ、自然の色のものが多いですね。
壁が少ない日本家屋だから
飾るのは棚やテーブルの上
日本家屋って壁が少ないんです。ふすまと障子ばかり(笑)。ものを飾る場所も棚やサイドテーブルの上が多くなりました。壁際に飾るのは長押に引っかけたり、置くことのできる小さなものだけ。家具は新しいものより古いものの方が、築40年以上の我が家には馴染むんですよね。ですから、その上に置くものも同じく年月を重ねたものやそんな雰囲気を持ったものが自然と多くなりました。
私は面倒くさがりなので、置き場所を決めないと片付けないんです。だから、室内に飾りのように置いているものも、実は収納になっていたりします。中はごちゃっとしていたりもしますが、とりあえず仕舞っておけばすっきり見えるので、蓋のあるものが多いですね。
家に飾られているアートや家具について尋ねると、丁寧に作家名や買った経緯などを教えてくれた一田さん。すべてのものへ愛情持って使っていることが垣間見られる瞬間でした。
COLUMN
編集部から一田さんへ
代々木上原にある「終日フラワー」で作ってもらったブーケ。クリスマスローズなど深海のある赤い花を混ぜ、落ち着いた暖かみのある雰囲気にしました。
Profile
一田憲子
OLを経て編集プロダクションに転職。その後フリーライターとして女性誌、単行本の執筆などを手がける。 2006年、企画から編集、執筆までを手がける『暮らしのおへそ』を、2011年『大人になったら着たい服』を(共に主婦と生活社)立ち上げる。 そのほか、『天然生活』『暮らしのまんなか』『クレア』『LEE』などで執筆。 全国を飛び回り取材を行っている。心を刺激したコトやモノを、自身の文章で綴ったWEBサイト「外の音、内の香」」も人気。
House & Model/ Noriko Ichida
Photograph/Akari Nishi
Text/Rina Koyama
Edit/Ayako Suzuki