「大草直子に質問!」のコーナーにプレミアム会員のみなさまから届いた質問や、1月に公募したファッションに関するお悩みに、大草直子がずばりお答えします。たくさんの質問やお悩みをお寄せいただき、すべてにお答えするのは難しかったのですが……。できる限りお答えできるよう、記事の最後には、大草直子が言葉でお返事するCOLUMNコーナーを増設しました。
Q. 通勤服を購入するのに最適なブランドを教えてください。最近は質のよいものを長く着続けたいと思っています。(埼玉県 しーちゃんさん)
Q. 堅めの職業の通勤着についてお聞きしたいです。週の半分ほどはスーツ、それ以外は他のアイテムと組み合わせていますが、マンネリになってしまいます。(東京都 kyokooct10さん)
A. おすすめは「硬のジョゼフ」と「軟のアンクレイヴ」♡
「硬」とは、ダークスーツの男性の間で仕事をしていてもバランスがとれる、という意味。例えば、こんなジョゼフのセットアップはどうでしょうか? 縦に細長いラペル(襟)は、とてもモダンな印象(対して、広いラペルは少しクラシックで保守的なイメージ)で、表情をキリッと見せてくれます。もし、大事に着続けているジャケットが「なんか見飽きたな」と思ったなら、襟の形をチェックしてみて。広い襟に飽きてしまった、という可能性もあるかもしれません。
上質な素材、丁寧な縫製。そして深いネイビーながら、少し光沢のある素材――セットで揃えると10万円くらいしますが、長く着られる、自信をもてる、きちんと感を保てることに投資するのもアリかな、と思います。もし2セット揃えるのなら、色違い、ではなく同じ色、「ラペル違い」で備えていると、インナーやバッグ、靴はスライドできて楽。
そして「軟」は、自分らしさを優先できる職種で、オンだけでなくオフにも活用できるイメージ。エディターの東原妙子さんがディレクターを務めるアンクレイヴは、セットアップがたくさん揃う新ブランド。オンライン中心だから、価格も買いやすいのが特徴です。真夏にも着られて、かつ、セットできるとワンピースのような華やかさもあるオレンジベージュのシャツとパンツは、まさに新しい時代の仕事服でオススメです♡
COLUMN
Q. 冠婚葬祭のような、ファッションにもルールがある場面で、大草さんが気をつけていることを教えていただきたいです。(千葉県 リコタさん)
A. 「誰のため」の「何の会」かを、「自分らしさ」より大切に
結婚式、お通夜や告別式、もしかしたら入学式や卒業式などの場面でも、最も優先したいのは、「誰のため」の会なのか――ということ。
例えば結婚式なら、「お祝いの気持ちを表したいから黒は着ない」「由緒正しい老舗のホテルであれば、格式のある装い」を心がけます。お通夜は「とるものもとりあえず来た」から、基本黒やダークグレーであれば良い、と言われていますが、告別式は百貨店の式服の売り場で揃えた喪服を着ます。正式には「殺生を表す牛革のバッグはNG」「不幸が続く、を連想させる2連のパールはNG」など、細かいルールはありますが、それは、場所や場合によるかもしれませんね。一番ルールがはっきりとある喪服は、光沢のないストッキング(タイツは基本NG)、そしてどうしてもジェルネイルが外せなかった時のためのレースの手袋も全て同じガーメントケースに入れて、「来ないほうが良いけれど着てしまった悲しいタイミング」に、故人を心を込めてお見送りできるようにセットしています。卒業式は先生への感謝、お友達への感謝、子供たちへの労いを映した服。入学式は「よろしくお願いします」、そして頑張った子供たちへのお祝いの気持ちを込めたスタイリングに。装う時の軸が自分より他者や場所、シーン――そんな時のルール、知っておきたいですね。
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