Your style is you大草直子の信じるおしゃれ

2020.02.28

【心地よい家。心地よい時間】家具もカトラリーも。木のぬくもりが溢れる家 by 一田憲子

雑誌『暮らしのおへそ』などの編集者として知られる一田憲子さんのご自宅訪問。最終回となる今回は、“一田家らしさ”ともいえる木のぬくもりを感じる家具や装飾などをご紹介します。

壁が少ないからこそ生まれた収納のアイデア

居間の中心に置いてあるテーブルは、リンゴの木箱の上に、板を置いたもの。松本の古道具屋さんで買った柿渋染め。「座布団らしくないものがよくて。染めのムラがテーブルの木目と似ていて雰囲気が合うんです」

柱や鴨居など日本家屋はいたるところに木を感じます。その雰囲気に合うのはやっぱり同じく木製の家具や籐や竹など、植物を使ったものなのかなと。それも、新しいものよりも使い込まれた趣のあるものが築40年以上のわが家にはなじみます。

テレビ台として使っているのは、代官山にある「ギャラリー無垢里」で見つけたベンチ。
縁側の窓枠にはかけられたほうきと布団叩き。用の美を感じる日常の道具も、あえて見えるところにかけるとインテリアの一部に。

日本家屋はふすまや障子ばかりで壁や収納があまりないんです。だからテレビを置く位置にも困って。障子の前に置いても圧迫感があまりないベンチをテレビ台にしています。収納場所も少ないので、道具は使う場所につるすことも。定位置が決まれば見当たらなくなることもありません。

仕舞えるところが少ない分、かごを配置して収納代わりに

ソファの前に置かれた蓋付きカゴは吉祥寺にある「アウトバウンド」という雑貨屋で購入したもの。

放っておくと夫は脱いだ服を置きっぱなしにするので、せめて目隠しになるように蓋のついたカゴを置いて、そこに入れてもらうようにしています。面倒くさがりでも、定位置を決めると片付けが無理なくできるようになります。

壁に掛けられたかごバッグは手前は吉祥寺のセレクトショップ「Promenade(プロム・ナドゥ)」 で買ったもの。奥はタイで購入。

収納が少ない分、こんな風に壁にかごバッグをかけて、モノを仕舞うことも。夏はバッグとして使い、冬は収納として活用。こんな風に使うとバッグ自体を仕舞う場所も不要です。

直接口に触れるカトラリーも木製で

スプーンは木工デザイナー三谷龍二さん、フォークは木工家の須田二郎さんの作品。

箸だけでなく、スプーンやフォークも、口に直接触れるものは、ぬくもりのある木製を使っています。木製のものは、たまにオリーブオイルを薄く塗らないといけないんですが、最近時間が取れなくて。ちょっとかさついちゃってますね。

居間のテーブルの上に置かれた“中古(ちゅうぶる)”ブームのときに買ったアルミのケース。今はカトラリー入れとして使っている。


ひとめ惚れして住み始めた日本家屋ですが、築年数のおかげで隙間風が入ってきたり、ちょっと私には鴨居が低かったり(笑)。いろいろ不便はありますが、お気に入りの家具や器、道具に囲まれて、楽しい毎日を過ごしています。どこか一部でも皆さんの暮らしの役に立ったら嬉しいです。


COLUMN
おやつは一田さんお気に入り「福島屋」のクッキー

取材で一田家を訪れたAMARCスタッフに振る舞ってくれたのが、ナチュラルフードマーケット福島屋の「薪石窯クッキー」。独特のパリッと歯ごたえのある食感が人気のクッキーで一田さんのお気に入り。


Profile

一田憲子

OLを経て編集プロダクションに転職。その後フリーライターとして女性誌、単行本の執筆などを手がける。 2006年、企画から編集、執筆までを手がける「暮らしのおへそ」を、2011年「大人になったら着たい服」を(共に主婦と生活社)立ち上げる。 そのほか、「天然生活」「暮らしのまんなか」「クレア」「LEE」などで執筆。 全国を飛び回り取材を行っている。心を刺激したコトやモノを、自身の文章で綴ったWEBサイト「外の音、内の香」」も人気。

House & Model/ Noriko Ichida
Photograph/Akari Nishi
Text/Rina Koyama
Edit/Ayako Suzuki

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