Fashion信じるおしゃれ
プライス別にお届けしてきた、アクセサリー・ジュエリー企画も今回で最終回。クローズアップするのは「一生もの」のジュエリーです。ジュエリーを「一生もの」たらしめるのは、その価格以上に大切な何かがあるからこそ。大草直子が考える、「一生もの」の役割や選び方とは? 書き下ろしのエッセイとともに、大草がセレクトしたジュエリーをご紹介します。
「希少な石を使った、老舗ジュエラーの、高価な――こんな冠がつくジュエリーは、「一生もの」。長年愛用して減価償却をするためには、その価格以上の何かを探さないと。もしかしたら「定番のシンプルなデザイン」というのが、最も危険かもしれません。大事にしまいこまず、毎日ウキウキと使えて、そして未来の自分がつけている姿を想像できるリングを、ピアスを、ネックレスを手に入れたい。そのデザインにディテールに、「なりたい私」や「憧れのイメージ」を映せるジュエリーがあると、おしゃれも生き方も、確実に前進できる! たくさんのジュエラーの中で、「これは値が張っても買うべきもの」を厳選しました。 」
英国人のデザイナー、マルコム・ベッツ氏が手がけるジュエリーブランド「MALCOLM BETTS(マルコムベッツ)」。すべてのジュエリーの、すべての工程が、ロンドンのノッティングヒルにあるアトリエで、デザイナー本人とごく少数の職人の手で丁寧に仕上げられています。大草がセレクトしたのは、こっくりとした22Kのイエローゴールドとシルバーが組み合わされ、ダイヤモンドがセットされたデザイン。一つ一つの素材も、そのマッチングも、そしてハンドメイドならではの風合いも、有機的で味わい深く、表情豊か。使い込むほどに、ゴールドの艶が増し、よりパーソナルになっていくのも魅力。
華奢で繊細なようでいて、大胆。「MIZUKI(ミズキ)」のジュエリーには、デザイナーのMIZUKIさんご自身から醸し出される、芯の強さや艶っぽさ、しなやかさといった、女性の多面性が表現されています。なかでも、曲線の優美さは秀逸。今回、大草がセレクトしたのはピアスは、自分では鏡なしには見えないからこそ、正面だけではなく、サイドや斜めなど、どのアングルから他の人が見ても、美しいラインになるよう計算されています。写真右の、マーキズシェイプのピアスは「MIZUKI」のなかでもアイコニックなデザイン。ショートヘアからロングヘア、さらにダウンスタイルにもアップスタイルにも映えます。もう1つは、顔周りに凛とした光をもたらす、ブラックパールがあしらわれたデザイン。いずれも、個性がありながら、上品な佇まいなので、オフィシャルなシーンから休日のカジュアまで、シーンレスで身につけられるのも◎。
上質さ、上品さ、そして知性を兼ね備えた、日本のパールの老舗ブランド「TASAKI(タサキ)」。丹精こめて育まれたパールに敬意を表しながら、自由な発想で革新的なデザインを発表し続ける、タクーン・パニクガルの「COLLECTION LINE」は、誕生当初から大草も注目。彼によって、強さと個性が加わったパールは、コンサバィブでベーシックなワーロドープにも馴染み、装い全体をモードにシャープに見せてくれます。デビューコレクションから10年以上たった今でも、その独創的な存在感が色あせないのは、本物の証拠。今回、大草がピックアップしたのは、牙のような地金とパールを組み合わせ、危険を秘めた美しさを表現した「danger(デインジャー)」のネックレス。そして、端正なパールを横に並べることでモダンに昇華した「balance(バランス)」のリング。
ブランドのスタートは2004年。「hum(ハム)」というブランド名は、身に着けると思わずhumming(ハミング)してしまうくらい、幸せな記憶を残すジュエリーを作りたい――という思いから名付けられたのだそう。大草がリコメンドするのは、自身も愛用している、定番の「humete(ハムエタ)」シリーズ。ヴィンテージを彷彿させるマットな表情、職人の丁寧な手仕事なしでは完成しない力強く繊細なデザインは、身に着けたそばから、大人の女性にそっと寄り添ってくれます。ブレスレットはチェーンの大きさやダイヤモンドの有無など、多彩なバリエーションが。エッジがきいていながらも、主張が強すぎることもなく、シルバーとゴールドがミックスされているので、レイヤードするジュエリーも選びません。
ロサンゼルス出身の女性デザイナーが手がける「SOPHIE BUHAI(ソフィー ブハイ)」。ほど良いボリューム感と彫刻的なフォルムが特徴のシルバージュエリーは、まるでアートピースのよう。しなやかにハンサムに今の時代を生きる女性の、シンプルなスタイルをクラスアップしてくれます。大草自身も、上の写真と同じネックレスをヘビロテ中。また、ソフィー ブハイのジュエリーは、すべてロサンゼルスの熟年職人たちによるハンドメイド。リサイクルシルバーを使用することで環境保護にも貢献していたりと、ブランドのフィロソフィや生産背景も今の時代に沿っています。
プライス別にお届けしたアクセサリー・ジュエリー企画、いかがでしたか? アクセサリーやジュエリーのレイヤードは人生のレイヤード。今のライフスタイルにあったアクセサリー、なりたい女性像を映せるジュエリーが見つかりますように――
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