Fashion信じるおしゃれ
整理収納アドバイザーのEmiさんによる、暮らしが、そして、わたしがラクになる整理術の特別連載。今回は、AMARC読者からもしばしばお悩みとして寄せられる、「仕事と家庭の時間配分」をテーマにお届けします。大手カタログ通販会社に就職した後、子育てをしながら、独立、そして起業し、ビジネスを続けていらっしゃるEmiさん。これまでの経験の中で培ってきた、仕事と家庭をバランスよく保つための考え方や時間の使い方、そして持続するためのコツを教えていただきました。
大草: Emiさんの時間の使い方。個人的にも、とっても興味があります(笑)。Emiさんにお会いしたときの、優しく、しなやかで、理知的な印象は、きっと日常の時間の使い方が上手だからこそ、なのかなぁって。働く女性として、企業の代表として、母親として、妻として、一人の女性として。色々な顔を持っていると思いますが、それぞれの時間をどんな風にとらえ、きりもりしているの?
Emiさん: 大草さんにそう言っていただけるとなんだか自分がすごく時間の魔術師のように思えてきました(笑)! でも、実際はそんなことはなくて、毎日ありがたいことにたくさんのお仕事をさせていただき、夕方帰宅後は使いものにならないくらいヘトヘト……。そして、とにかく睡眠が一番大事で、平日はなんと21時に寝て翌朝は6時起き。毎日9時間睡眠なんです!(笑)。その時間を確保してごきげんでいられるように、仕事も家庭も、自分の力を過信せずみんなを頼って任せて、仕組みをつくり、チームで乗り切るようにしています。
【ルール1】
“暮らす”と“働く”がうまく混ざり合うのが理想
大学を卒業してから会社員として8年間、商品企画の仕事をしてきました。生活用品の企画だったこともあり、家事をしながら仕事のアイディアが浮かぶ、仕事で得る情報が自分の暮らしに活かせる、「暮らすと働くが両方あるから、両方いい」を経験してきました。
双子の出産後、独立して働き方を変えた今も、頭の中はいい意味で仕事のことを常に考えています。女性にはいろんな生き方、働き方があるのは当然で、「自分らしい生き方」を見つけられるのがベスト。私の場合、仕事があってよかった、家庭があってよかった、ふたつがバランスよく混ざり合うことによって、充実していると言えます。14人いるOURHOMEのスタッフにもそれを感じてもらえたらと、残業をまったくせず定時に帰れる仕組みづくり、子連れ出勤や、家族を呼ぶ忘年会、夏休みに子どもたちも一緒に社員研修!など取り組んでいます。
【ルール2】
家族も、会社のスタッフも、どちらも同じ「チーム(組織)づくり」を意識する
「得意なことを得意な人が担当し、苦手なことはみんなで補う」
「できるだけ人を責めず、仕組みで解決できることを考える」
そんなマネジメントを意識しています。私の場合は、双子の子育てを経験したあと、自分の会社を持ち、組織を持ちました。双子の育児を経て感じたのは、「同じ日に産み、同じように育てても、こんなにも性格が違うのか!」ということ。人間は持って生まれたものがほとんどだと感じるのです。そして、得意でさらに「好き!」なことを生かすが人がぐっと伸びる。そう思うと、子どもだけでなく大人もスタッフもみんなそう。持って生まれた「いい部分」を生かし、苦手な部分はみんなで補うことが私の組織づくりの原点となっています。
【ルール3】
毎晩の乾杯で、今日できたことを言い合う。家族も会社も、リーダーが仲良いのがいちばん!
夫婦で組織を経営しています。お互いが風通しよく、言い合える関係でいることは、組織づくりにもすごく大事。そして家族も同じくですね。夫婦仲が良く(できるだけ!笑)、ごきげんでいることが、風通しのよいいい会社、風通しのよい家族をつくっていくと思います。だから喧嘩ももちろんあるけれど、仲直りもセットで。わが家は、毎日、「今日あったよかったこと」をお互いに言い合って、乾杯をします。
1. 仕事の効率を上げるメール術
メールやLINEは来たものに都度反応しているとなかなか集中して仕事ができませんよね。そこで、私は仕事の効率をあげるためにメールとLINEは通知音・バイブともに消し、受信したことをあえて気づかないようにしています。「呼ばれたから見る」ではなく、「一区切りついたから見に行く」ようにすると、集中すべきときの集中できるので仕事の効率が上がるような気がします。
2. TODOリストは紙に書き出す
スケジュール管理はデジタル化していますが、TODOリストだけはずっと手書きです。紙のスケジュール帳のウィークリーページが縦7列に別れているので、1列ずつ案件ごとにやるべきことを書き出し。紙のほうが一覧性があり、タスク全体を把握しやすいからです。見開き1週間で、ここには仕事もプライベートも両方のやることを書き出しています。また、済んだものからペンでどんどん消して行くことで、仕事を進めている達成感が味わえる感覚がなんとも好きです。
3. リモートワーク環境のととのえ方
この度のstayhome期間中に、リビングの一角と廊下に、オリジナルでつくったひのきのデスクを使い、在宅勤務ができるスペースを整えました。最初はダイニングテーブルを代用していたものの、やはり集中して仕事ができる環境を整えようということに。これから先は、出勤と在宅を組み合わせた新しい働き方となりそうです。どちらの状態でもいつものように仕事ができるように、資料や道具なども、身軽に移動できるスタイルをより整えていっているところです。
1. ワーキングマザーの助けになるお鍋、「シャトルシェフ」
料理でものすごく助けられているのが、サーモスの「シャトルシェフ」というお鍋。朝、短時間火にかけた具材を保温容器(セットのもの)に入れておくと、夕方帰宅した頃にはトロトロになっています。余熱だけで煮込むのでガスをほとんど使わないし、すごくおいしく仕上がるのが素晴らしい! 共働き家庭では平日帰宅してから煮込み料理をするのは難しいですが、シャトルシェフを使い始めて煮込み料理やスープが増えました。帰宅と同時にメイン料理ができあがっていればすぐ夕食にできるので、本当に助かります。
ちなみにわが家は夫婦一緒に働いているので、夕食作りは曜日ごとに当番制。夫は数年前から急に料理好きになり、食材の買い出しもこだわりがあるようなので、どんどんお任せしていっています(笑)。
2. みんなが時間の意識を持つように、時計をあちこちに置く
私だけではなく家族みんなが時間の意識を持てるように、時計を家のあちこちに置くのも意外と大事です。リビングはもちろん、子ども部屋、寝室、洗面所、写真のように玄関にも。家族が行く場所にはすべて時計があります。私ひとりがタイムキーパーになるのは大変だから、ひとりひとりが時計を見て行動できるように。「子どもに早くしなさい!と言ってばかり」というレッスンの受講生にも、「まずは時計をたくさん置いてみてくださいね」、と伝えています。
仕事と家庭を両立させながら、毎日9時間睡眠をキープしている、というEmiさん。メール術、ToDoリストなどの具体的な工夫はすぐにでも実践できそうですね。また、得意なことを得意な人が担当し、苦手なことはみんなで補う、といった考え方も、色々なことに応用できそうです。次回は、Emiさんが2004年から続けているという「マイノート」の作り方をお届け。6月30日(火)に公開予定なので、お楽しみに!
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Emi
整理収納アドバイザー/「OURHOME」主宰。兵庫県西宮市在住。カタログ通販大手勤務を経て、現在夫と14名のスタッフとともにウェブサイト「OURHOME」を運営。暮らしをラクにするコンテンツの発信、オリジナル商品の企画・物販、参加型のレッスン開催を行う。その他、大手メーカーや不動産会社との共同開発、著書15冊刊行など多方面で活躍中。近著は『わたしがラクする家事時間』(ワニブックス)、『わたしがラクする服選び』(大和書房)。10歳の男女の双子の母。
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