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【わたしがラクする整理術】心をととのえる「マイノート」 〜 作り方編 〜

整理収納アドバイザーのEmiさんによる、暮らしが、そして、わたしがラクになる整理術の特別連載。残りの2回は、Emiさんが2004年から続けているという「マイノート」をテーマにお届けします。前半となる今回は、マイノートを作ろうと思ったきっかけから、マイノートの作り方まで、基本の“き”を教えていただきます。

大草: Emiさんが、もう65冊になったという、「マイノート」。はじめて「マイノート」の話を聞いたとき、素晴らしい習慣だな、と思いました。一見、面倒に思える「書いたり」「自分の好きを集める作業」は、自分の気持ちを整理できたり、客観視できたり、と実は良いことづくめ。Emiさんが「マイノート」を作ろうと思ったきっかけはどんなことだったの?

Emiさん: 16年前、新入社員として入社したときに、気づいたことや得たこと、上司から教えてもらった言葉をノートに書いたのがはじまりなんです。最初は仕事のことを書いていたものの、暮らしの収納用品を企画する仕事だったこと、また、結婚が早かったこともあって、自然と自分の家事や暮らしの気づきをメモしていくようになっていきました。
ノートに書くことで、気になったことを一度頭の中から全部出すことができるように! そうすると、今度は空っぽになった頭の中に、また新しい情報を入れようという気持ちが芽生えて、どんどん吸収できる気がするんです。
マイノートを書くことで、自分らしさを知ることができて、生き方や仕事、子育てにおいて役立つことがたくさんです。ノート1冊とペン1本で気軽にはじめられるので、AMARC読者のみなさんにもぜひおすすめしたいです。


\「マイノート」とは?/

・ジャンルを分けずに1冊にまとめる
・「心が動いたこと」を書く
・前から時系列で書いていく

ノート1冊とペン1本で気軽に始められるのが「マイノート」の魅力です。
あえてジャンルを分けずに、ファッションのこと、仕事のこと、子育てのこと、家事のこと、前から順番に気になったことや心が動いたことを書いていき、いつか自分が困ったときや悩んだときに助けてくれる「心の貯金通帳」です。


\「マイノート」の作り方/

1. ジャンル分けせず、心が動いたことはなんでも書く、貼る

本を読んで感じたこと、人から言われてうれしかったこと、もらった手紙、メモしておきたい情報など、「自分の心が動いた」と思ったことを日付順にどんどん記録します。そう、「マイノート」は、ジャンルごとにノートを分けず、すべて1冊にまとめるのがポイントです。ジャンル別にするといざ書こうとしたときにノートがどこにあるかわかりにくかったり、ジャンルにあてはまらない出来事は「書くところがない」となってしまうからです。
例えばファッション雑誌にも美容や仕事、社会的な記事が載っているように、「私」というワンテーマでさまざまな情報を集め、雑誌を作るイメージです。私が気になったこと、心が動いたことがひとつにまとまると、1冊書き上げる頃には「私らしさ」に溢れたとても面白い「雑誌」が出来上がっているはずです。


2. マイノートの選び方

外出先でマイノートを見たい、書きたいという方は、持ち歩きやすいA5サイズがおすすめです。自宅でしか開かないなら、スクラップしやすいB5サイズもあり。私自身はA5サイズでずっと統一しているので、ノートが65冊に増えてもかさばる感じがなく、きれいに整列します。
そしてなるべく厚みは少なく、ページ数が少なめのノートを選ぶのがポイント。「1冊書き上げられた!」という達成感が次につながり、続けるモチベーションになります。

いま私は方眼罫タイプを愛用しています(コクヨのキャンパスノート〈方眼罫〉)。書くときのペンはできるだけ、パイロットの「Vコーン」と決めています。書きやすく、字がはっきり見えて、見返すときにノンストレスです。



3. 「マイノート」の書き方&貼り方

〈基本の書き方〉

✔ 日付を6桁で書く
大事な記録として、日付は必ず書きます。その際、「2020年6月30日」としっかり書くのは大変なので、西暦を略して「200630」と6桁の記号にするのがおすすめです。何冊もノートが増えていっても、日付が書いてあることで振り返りやすくなっています。

✔ 心が動いたことをとにかく書く、はる
ジャンルを分けずに、とにかく、素敵だな!わくわくするな、うれしいな、落ち込むな、もやもやするな、も含めて、心が動いたことをどんどん書いたり、貼ったりしていきます。

✔ 項目同士の間に線を引く
ひとつ項目を書き終えたら、下に長い線を引いて仕切りをつけます。こうするとトピックの切り替わりが一目瞭然で、後で見返したときにパッとわかりやすい!

〈基本の貼り方〉

実は貼り方にルールはなく、テープのりでも、マスキングテープでも、貼りつけばどんな方法でもかまいません。ただ、きれいに貼ろうとすると後回しになりがちなので、適当でもいい!と大らかでいるのは大事です。ノートよりも大きな紙を貼るときは、余白を少しカットしてから折りたたんで貼ります。後で見返しやすいように中身が見えるように貼るといいですよ。

神社で引いたおみくじ。とっておきたいけどどこに置けばわからない、こんなものもマイノートに貼れるのが便利です。


3. 「マイノート」を見返す

マイノートは書いて終わりではなく、「見返す」ことがとても大事です。自分の好きなもの、心が動いたことが集まったノートを通して読むことで、「私らしさ」を発見することができるからです。ちょっと落ち込んだときに見返すと、「このとき考えていたこと、できるようになってる!」「私も毎日頑張っているんだな」と思えて、元気が湧いてきます。人と比べずに、自分の「昔」と「今」を比べられるようになりました。
以前、マイノートについてまとめた「わたしらしさを知る マイノートのつくりかた(大和書房)」を出版した後、読者の方から想像以上の反響が寄せられました。闘病中の方から「マイノートに出会って生きる元気が湧いてきた」と言っていただいたり、育児に悩んでいた方から「子どもとの暮らしを楽しいと思えるようになった」と言っていただいたり。たくさんのお声をいただきました。マイノートがどなたかの暮らしを変えることができたのだな〜と、本当にうれしく思います。

Emiさん流の「マイノート」の作り方、いかがでしたか? 書いたり、貼ったりすることで、心がととのうマイノート。見返すことでも、色々な気づきを得られそうです。ノート1冊とペン1本で気軽にはじめられので、ぜひ一度、トライしてみてくださいね。次回は、Emiさんの「マイノート」の中身をのぞかせていただきます。7月3日(金)に公開予定です。お楽しみに。

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profile

Emi

整理収納アドバイザー/「OURHOME」主宰。兵庫県西宮市在住。カタログ通販大手勤務を経て、現在夫と14名のスタッフとともにウェブサイト「OURHOME」を運営。暮らしをラクにするコンテンツの発信、オリジナル商品の企画・物販、参加型のレッスン開催を行う。その他、大手メーカーや不動産会社との共同開発、著書15冊刊行など多方面で活躍中。近著は『わたしがラクする家事時間』(ワニブックス)、『わたしがラクする服選び』(大和書房)。10歳の男女の双子の母。

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