Fashion信じるおしゃれ
自然と惹きつけられる人には、「スタイル」がある。個性、こだわり、らしさや軸とも言い換えられる「スタイル」とは、一体、どんな風に育まれ、その佇まいに現れるものなのか。それはきっと、その人が、取捨選択を繰り返しながら、たどってきた人生にヒントがあるはず。
本連載では、スタイルがある人の生き方や考え方を取材することで、そのスタイルの裏側を分析。ときに、その人が生み出した「モノ」や「コト」にもフォーカスしながら、多くの人を惹きつけてやまない魅力に迫ります。
今回は「ニールズヤード レメディーズ」代表の梶原建二さんの後編をお届け。梶原さんがニールズヤード レメディーズを通じて取り組むSDGsやサステナビリティ、女性の社会進出問題など、私たちが直面する課題についても伺っていきます。
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ここ数年でエシカルやSDGs、サステナビリティへの関心はぐんと高まってきているようですが。
「プラスティックの廃棄やリサイクルなど、マテリアルサステナビリティな取り組みが先行している印象。理想はウェルネスサステナビリティ、人は自然の一部であるという考えを前提に、人と地球のウエルビーイングを長期的に持続させていかなくては、と思います。たとえばNYRでは他に追随し、新製品を数多く出すのではなく、ロングセラーを大切に、人と地球にとってのウェルネスを最優先しています。今後の課題としては、化粧品の中身の廃棄問題にも取り組んでいかなくては、と思っています」
オーガニックへの関心、理解が高まっていることは実感されているのでしょうか?
「そうですね、以前よりオーガニックのイメージは良くなりましたね。とくにオーガニックが身近にある若い世代から、いい循環が生まれはじめているように感じます。私たちにとって注視すべきなのが足元。つまり、土壌です。「NYR GREEN SQUARE」からも、人と地球は一体であるというBiosphere(生物圏)の考え方を、より多くの人に伝えていきたいです」
梶原さん自身が、気候変動問題について学ぶトレーニングプログラム「Climate Reality Leadership Corps Training」をアル・ゴア元米国副大統領から直に受けたおひとり。私たちの健康、地球の健やかな未来を思い描いたとき、NYR、あるいは梶原さんが次に掲げるテーマというのはあるのでしょうか?
「今までは、都市にいながらにして自然の豊かさを感じてもらえる場所の提供がテーマでしたが、これからはレゾナンス(共鳴)をテーマに、新たな価値を提案していきたいと思っています。具体的には自然の中に身を置き、リセットしたり、デジタル・デトックスができたり、自然と人とが共鳴できる場所を提供したいと考えています。リトリートではなく、デトックスケーションですね。心と身体が自然と共鳴することによって、私たち本来の感性も、取り戻せると思っています」
圧倒的に女性の多い職場環境、しかも長く勤務されている方、執行役員にも女性が多いと伺いましたが、女性が働きやすいように工夫されていることはあるのでしょうか? 梶原さんは女性の社会進出、 エンパワーメントについてどんな視点をもっていらっしゃるのでしょうか。
「日本のGDPの80%、つまり、日本の経済は女性が担っているんですよね。だから女性が暮らしやすい、社会進出しやすい環境は大事だと思っています。ただ、男性と同等の社会は、女性にとって試練になることもあります。常々言っているのは、自分が幸せかどうか、幸せになれるかどうかを忘れずに進化していって欲しいということ。もちろん、幸せのベースは心身ともに健康であることも。持論ですが、社会のインフラをつくるのは男性。世間やコミュニケーションをつくるのが女性です。女性はソフトウエアであり、時代の変化にも柔軟に対応できる、素晴らしい資質を持っているんです」
気になるのは、イノベーターである梶原さんのポリシーです。
「実は、10か条あるのですが、例えば、
✔️ 美しいことは何事においても豊かさを増す
✔️ ないものは自分で創る
✔️ いいと思うことはとにかくやってみる
✔️ 自分が幸せでなければ仕事の喜びはない
などは、私自身のポリシーが色濃く出ていますね。また
✔️ 大手の成功事例は真似しない
✔️ 今年売れても来年売れないものは売らない
✔️ 売上達成より利益重視
✔️ 店舗数の拡大がブランドの成功とは限らない
✔️ 短期的なベストセラーよりも隠れたロングセラー
✔️ お客様が笑顔で店を出ることが大切
などは、企業ポリシーでもあります。これらは時代が変わってもブレることなく語り継いでいきたいですね」
まだまだ環境問題に疎く、堂々と健康を語れるシーンの少ない日本で、ウェルネスサステナビリティこそ幸せをもたらすもの、と提唱し続ける梶原さん。ニールズヤード レメディーズの製品の数々、梶原さんのメッセージを振り返りながら、豊かなライフスタイルの真価を問い直していきたいものです。
Photographs /Shungo Tanaka(MAETTICO)
Text / Sawako Abe
Edit /Ayako Suzuki(HRM)
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【SHOP INFOMATION】
今回お邪魔したのは
ニールズヤード レメディーズ
表参道本店
毎日をよりポシティブに、より豊かにするための「美・食・学」が体験できる。100%再生可能エネルギーを使用したエコビルで、ショップ、サロン、スクール、レストラン(BROWN RICE)が併設されている。
住所:
〒150-0001
東京都渋谷区神宮前5丁目1
電話番号:
ショップ 03-5778-3706
スクール 03-5778-3597
レストラン 03-5778-5416