Life style今日も一日おつかれさま
ブッダのこんな言葉があります。
「一つとして『わがもの』というものはない。すべてはみな、ただ因縁によって、自分にきたものであり、しばらく預かっているだけのことである。だから、一つのものでも、大切にして粗末にしてはならない」
私たちの身の回りにあるものはすべて「預かりもの」です。人間は勝手にモノや土地に値段をつけて売り買いをし、「わたしのもの」を増やしているような気になっていますが、そのようなことは人間の世界だけで通用している”ローカルルール”であり、森羅万象からすればまったく意味をなしません。
仏教の縁起という考え方は、まさにこのような森羅万象の網の結び目のひとつにすぎない自己のありさまを、知らせてくれるものです。「網の結び目」というのは、ロープとロープが絡まって作られる「現象」であり、結び目そのものが単体で成り立つのではありません。無数に絡まり合った網の目の中に「私」という網の目がたまたま、しかし確かに成り立っているのです。
そのことに気がつくと、自分というものがいかに他からの恩恵に預かっているかを思い知らされます。同時に、自分の行為がどれだけ他へ大きな影響を及ぼすのかにも思い至ります。
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