Life style今日も一日おつかれさま
地震、台風、津波……。自然の猛威を感じる機会の多い昨今ですが、昔の日本では、自然は「じねん」と読んだこと、知っていましたか?
親鸞は、自然を「おのずからしからしむ」と読んで、世界を今あるようにあらしめる仏のはたらきを見いだしました。現代語の「自然=nature」のように、人間を除いた自然界、山や川、動植物を指す言葉はもともと日本語には存在しなかったとも聞きます。人間と自然界の間に隔たりを見ることなく、ただ自然(じねん)にあるものがあるようにしてあるだけ。そういう精神風土が日本にはあるのでしょう。
親鸞はまた、最晩年に「自然法爾(じねんほうに)」、つまり「あるがまま」「そのまま」を強調しました。自己中心的な考えや行動など、すべてのはからいが脱落し、自力による分別を離れたとき、自然の道理によって、あるがままに生かされることを知るというのです。
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