Life style今日も一日おつかれさま
作家の平野啓一郎さんの「分人」という考え方を知っていますか?
たった一つの人格を持つ確固たる個人としての私が存在するのではなくて、友達や同僚、家族という、それぞれ別の関係性の中にあって初めて生まれる「分人」としての私がある。そんな考え方です。
友だちといるときにだけ出てくる私の表情というのもあるのでしょうし、家族でいるときにだけ出てくる私の言葉というのもあるでしょう。私という存在は関係性そのものであり、縁によってそこにたまたま生まれているものです。
そう考えると、関係性の喪失は、相手を失うだけでなく、自分を失うことでもあります。大切な人との別れが「愛別離苦」として仏教で重んじられるゆえんです。
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