落葉の重み

冬に向かいつつあります。街もお寺も、紅葉の盛りになってきました。

お寺では大きな竹ぼうきを動かして落葉を集めるのが日課です。渋味を帯びた甘い香りを嗅ぎながら、ほうきを動かします。

しだいに、落葉を掃く手に重みを感じるようになりました。それは降り積もった葉の重みであると同時に、色を変え、姿を変えて散っていく葉のひとつひとつが教えてくれるいのちの重みでもあろうと思います。

Profile

木原祐健
（きはら ゆうけん）
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』（河出書房新社）など。