重陽の節句に

9月9日は重陽の節句。

平安時代に中国から伝来した行事で、旧暦の9月9日に宮中などでは邪気を払うとされる菊の花を観賞し、菊の花弁を浮かべたお酒を飲んで宴を行い、長寿や無病息災を願ったそうです。この行事は、今日の「敬老の日」の原型になっています。

「敬老の日」はご高齢の方を敬う日ですが、最近はこの意味を少しだけ広げて考えられればと思うようになりました。

仏教では「老・病・死」を避けられないものと考えます。私たちは年齢を重ね、身体も心も変わっていきますが、避けられない変化を少しだけ大切に敬うことができたら、そのように思うのです。

Profile

木原祐健
（きはら ゆうけん）
東京神谷町・光明寺の僧侶。2005年に光明寺のお寺カフェ「神谷町オープンテラス」の立ち上げに加わり、ご縁に導かれ僧侶となる。お寺カフェの「店長」として来訪者のおもてなしを担当し、お寺や福祉施設などで傾聴活動を行う。趣味はカフェ巡り。著書に『神谷町オープンテラスのおもてなしお寺スイーツ12ヶ月』（河出書房新社）など。