Your style is you大草直子の信じるおしゃれ

2020.06.23

【わたしがラクする整理術】子どもと一緒に楽しむ家事

整理収納アドバイザーのEmiさんによる、暮らしが、そして、わたしがラクになる整理術の特別連載。後半の4回は、子育てや時間の使い方、そして心を整えるマイノートの作り方など、「人生のととのえ方」を伝授してもらいます。まずは、「子どもと楽しむ家事」について。もうすぐ11歳になる双子の母親でもあるEmiさん。毎日の家事は、ひとりで抱えず、みんなでやるのがスタンダードなのだそう。まさに“理想的”ですが、そのためにはどんな風に考え、どんな工夫をしているのでしょうか?

大草: 前半の、全4回に渡る「家のととのえ方」、とっても興味深く、学ぶところがたくさんありました。私をはじめ、毎日を忙しく生きる女性たちへのエールのようにも感じる言葉やアイディアがいっぱいでしたね。さて、今回は、どうしたってやらなくてはならない「家事」と、「子育て」を絡めたお話を聞きたいな、と思っています。我が家にも3人の子どもがいて、いつも、わいわいがやがやしているのですが(笑)、Emiさんは、どんな風に「家事」と「子育て」を考えていますか?

Emiさん: 3人お子さんがいらっしゃって、大活躍されている大草さんにそう言っていただけるととってもうれしいです! 私はまだまだなところもたくさんありますが、子どもとの「家事と子育て」の中で一番大事にしているのは、私自身が家事を「不機嫌な顔」でしないこと。なんです。母が嫌そうにしていることを、自分もやってみよう!と子どもはなかなか思えないものだと思うので、できるだけごきげんでやれるように。そのために、ラクする仕組みをたくさん整えたりしています。私が忙しく、必然的に家族みんなで家事をやるようになったわが家ですが、子どもたちが将来家庭を持ったときに、自然と相手を思いやり家事を一緒にする家族になってほしいなという希望も持っていたりします


\Emiさん流/
子どもと家事を楽しむためのルール

【ルール1】
家事をひとりで抱えない、家族みんなでやるのがわが家のスタンダード

双子が2歳のとき、保育所にお迎えに行ったある日、自分でパジャマをたたんでいる姿をみかけました。「そうか……! こんなに小さくても自分でできることってたくさんあるんだ!」と感じ、この日からわが家も子どもにどんどん任せてみようと取り組んできました。
私がひとりで家事を背負うのではなく、一緒にやったほうがみんなで遊べる時間が増えるし、みんなでするほうが家族みんなご機嫌でいられる。家事のクオリティーは100%ではないかもしれないけれど、私ひとりでイヤイヤ眉間にしわを寄せながらやる100%の家事よりも、ずっといいと思うのです。

【ルール2】
子どもを責めずに仕組みを変えていこう!

子どもに「家事を一緒にやろう!」と声をかけるだけではなかなかうまくいきません。とにかく子どもたちがやりやすいような仕組みをととのえるのが大事。小さい頃は、炊飯器とお椀としゃもじを一緒にセットし、子どもが手の届くところに置いた「ごはんできたよワゴン」、子どもが手に取りやすい小さいほうきとちりとりを玄関の見えるところに設置、などなど、「私がやりやすい!」より、「子どものやりやすい」を優先した仕組みをつくってきました。10歳になった今では、大人と一緒のものを使えるようになってきました。

ルール3】
子どものやる気にはムラがあって当然!

子どもなので、いつもいつもやる気があるわけではありません(笑)。それは当然のことです。毎日決められたように同じようにやる!ことがゴールではなくて、私たち大人も家事のやる気にムラがあるのと同じで、子どもにもあるのは当然。わが家は基本的には、毎朝洗濯物をたたむのがルール。でも、10歳の息子は、「自分の洗濯ものを毎日たたむのはイヤ!」だそうで、火曜と水曜はたたまない。「でもほかの日はがんばる!」と自分なりのルールを決めています。私はそちらのほうがよっぽど健全で、自分のやる気がない日をどうカバーするスケジュールを立てるのか、と考えられていることがいいな〜と思って見守っています。



【洗濯編】
自分の洗濯物は自分でたたむ、を
小さい頃から習慣化

わが家は大人の服以外ほぼすべての衣類を洗濯機で乾燥までかけます。毎晩、洗濯・乾燥の予約をして、朝一で仕上がったものをしまうのをルーティン化。タオルやパジャマなどは私がしまいますが、子どもの衣類は子ども専用のカゴにポイっと入れるだけ。子どもたちは小さな頃から自分で服をたたんで引き出しにしまうのが習慣になっています。

カゴは娘と息子でそれぞれに用意、浅いカゴを用意して溜まっているのが目立つようにしています(笑)。洗濯ものをたたまない日を設ける息子とは違って、娘はわりと几帳面。きれいにたたんでしまっています。同じ日に産み、同じように育てた双子でもまったく違う(笑)! これが育児の面白いところでしょうか。

先日、息子が突然「自分でアイロンをかけたい」と言い出しました。娘がアイロンをかけるのを横目に今まで何も言わなかったのに、なんの心境の変化かな(笑)? 野暮なことは聞かずに、とにかく「やりたい!」と本人が言ったときがチャンス! その最初の一回は丁寧に、家事を教えて、あとはご自由に、がわが家のスタンスです。私から無理に家事を誘うのではなく、やりたいといったときを待つ!が大事です。


【料理編】
子どもが料理しやすい仕組みを作って
毎朝の朝食づくりをおまかせ

本格的な料理はまだまだですが、子どもの「やりたい!」のタイミングや、週末に遊びながら一緒に作るうちに、いつの間にか基礎が身についてきたように思います。朝食については「朝は好きなものを食べて元気出していこう!」がモットーなので、小学校1〜2年生の頃から、卵かけごはんやチーズトーストなど自分が食べたいものを自分で用意してきました。10歳になった今では「お母さんのパンも焼いてほしいな〜」とお願いすると一緒に焼いてくれるように。朝の忙しいとき、とても助かります! 子どもがやりたくなるよう、パンや食器を取り出しやすい低い位置に置くことがポイントです。

双子の性格は本当にバラバラで、料理への興味が強いのは娘のほう。私と一緒に作っておいしかったランチメニューを自分の「マイノート」にメモし、2度目はひとりで挑戦しています。ノートをクリップで止めて見やすくするのは、私がずっと前にやっていたことを真似して。子どもは親の行動を本当によく見ているのだなとびっくりすることがあります。

食べ終わった食器を下げ、食洗機に入れるまでがわが家の習慣。ここまでしてくれているととてもラクです! わたしが出張に出ることもあるのですが、いつでも安心して出られるのは仕組みが整っているからだなと感じています。

【掃除編】
子どもが使いやすい
掃除道具選びを

フローリングの床は学校の教室掃除のようにほうきを使うと掃除しやすい!と気づいて今年買ったもの。子どもがお手伝いしたくなるように、持ちやすい大きさを選びました。

進んで掃除をしてもらうためのポイントは、「子どもが掃除用具を使いやすいこと」です。そのため、親子ともに使う掃除用具は子どもにぴったりの小さなサイズに。また、子どもでも簡単に交換できるように、トイレットペーパーのホルダーは着け外しの簡単さを優先して選びました。平日の掃除の分担はずっと玄関のみでしたが、休校期間中は学校の時間割と同じように掃除時間を設け、トイレや床の掃除をしてもらうように。学校が再開して分担はなくなりましたが、汚したら自分で掃除するという習慣がより身についたようです。

保育園に通っていた頃から、週末の玄関掃除は子どものたちの役割。狭いエリアはすぐ終わり、達成感を得られやすいからです。玄関掃除に使うほうきとちりとりも、子どもが使いやすい小さめのもの。


【片づけ編】
「おかたづけ育®」を通して
人生に必要な力を育てたい

子どもたちが3歳になる前からおもちゃの整理を一緒にして、「おかたづけ育®」を始めました。といってもお片付け上手な子を目指したわけではなく、整理収納の「棚卸しをする→自分で優先順位を決める→行動に移す」という流れを通して、これからの人生にきっと役立つ「決める力」「工夫する力」「行動にうつす力」が身についたらうれしいなと思い、始めたことです。10歳になった今では、もちろん毎日すっきり!とはいかない日もありますが、自分の力で自分の居場所を気持ちよく整えることができる力、は身についているなと感じています。

私がひとつ決めているのは、ランドセルを勝手に触らないこと。小学1年生になって初めてランドセルが届いたときに、子どもたちに「大事なカバンだからね」と、本人の了解なしには開けないことを伝えました。それは「信じて待ってるよ」という気持ちを示すため。お母さんが管理すれば忘れ物も入れっぱなしも防げますが、子どもが自分のモノを自分で管理する習慣、工夫するチャンスが減ってしまいます。もちろん、やきもきすることもありますが、そこはぐっとがまん。小さな失敗を防ぐより、将来につながる大きな成長を促したいと思っています。

Emiさん流の、子どもと一緒に楽しむ家事、いかがでしたか? “わたし”ができるかぎり”ごきげん”で家事をするための、仕組み作りには、たくさんのヒントがあったように思います。次回のテーマは「 仕事と家庭の時間配分」。6月26日(金)に公開予定なので、お楽しみに!

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profile

Emi

整理収納アドバイザー/「OURHOME」主宰。兵庫県西宮市在住。カタログ通販大手勤務を経て、現在夫と14名のスタッフとともにウェブサイト「OURHOME」を運営。暮らしをラクにするコンテンツの発信、オリジナル商品の企画・物販、参加型のレッスン開催を行う。その他、大手メーカーや不動産会社との共同開発、著書15冊刊行など多方面で活躍中。近著は『わたしがラクする家事時間』(ワニブックス)、『わたしがラクする服選び』(大和書房)。10歳の男女の双子の母。

HP&オンラインストア: ourhome305.com
ブログ:ourhome305yomu.com
インスタグラム:@ourhome305@emi.ourhome

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