日頃の疲れやマンネリを吹き飛ばし自己を解放する、オーストラリアを舞台にした“セルフリリース旅”のススメ、最終回。日常のマンネリやモヤモヤから解き放たれ、心からくつろぐための拠点としてぴったりなホテルを、エディターの山下美咲さんがレコメンドしてくれました。
モダンでハイセンスなデザインで彩る、
ヴィヴィッドな都市滞在

みなさん、こんにちは! エディターの山下美咲です。4回にわたってお届けしてきた、自己を解放するオーストラリアの旅。締めくくりとして、心からゆったりとくつろげる、シドニーとタスマニアのおすすめホテルをご紹介しようと思います。どこもまだオープンしてから日が浅く、ローカルの人々も注目している場所ばかり。ぜひご褒美ステイの参考になさってみてください。
市街地からほど近く、スタイリッシュでとにかく便利だったのが「Kimpton Margot Sydney」。ラグジュアリーながらほどよくフランクでコンパクトという、このホテルブランドそのものが持つ趣はそのままに、アールデコのテイストを組み込んだインテリアがおしゃれで個人的にストライク! どこに行くにもアクセスがよい傍らお部屋は静かで、落ち着いて滞在できたのも高ポイントでした。

バスルームはこんな感じ。大きなバスタブがあって、歩き疲れた体を休めるのにぴったり。ダイニングやバーはもちろん、ルーフトップにはプールもあり、便利な都市型ステイとリゾート感を両方楽しみたい人にはうれしいはず。私が滞在した時期は、毎日17時から“ソーシャルアワー”と称し、中二階のラウンジでドリンクが楽しめるサービスが。その他、お部屋からヨガクラスのムービーにアクセスできたり、市内の散策用に自転車の貸し出しを行っていたりと、トラベラーに寄り添う心温まるサービスで快適に過ごせます。
Kimpton Margot Sydney
https://www.kimptonmargotsydney.com
オーストラリアの原風景をイメージした
色彩から感じるカルチャー

2022年5月にオープンしたばかりながら、早くもおしゃれな人々が集うコミュニティスペースになっている「Ace Hotel Sydney」。日本では2020年に京都でオープンしたことでなじみのある「エースホテル」の、南半球で初めてのブランチだそう。ローカルカルチャーを大事にするブランドの理念を受け継ぎ、オーストラリアの大自然を思わせるアースカラーやテラコッタカラーをふんだんに使った、温かみの感じられる空間が特徴。ギターやレコードプレーヤーが置いてある客室もあるので、お部屋でゆったり良質な音楽に浸るのも◎。
ダイニングやカフェ、バーが充実しており、ビジターとして訪れるのも楽しいです。ロビーの向かいには、ここだけでしか手に入らないご当地ホテルグッズの販売も! ローカルアーティストのデザインを使ったパーカーやルームウェアなど、かわいいアイテムがたくさんありましたよ。
Ace Hotel Sydney
https://acehotel.com/sydney
ゴージャスな景観と
サービスに酔いしれる、
贅沢ステイ

昨今、モダンなデザインで利便性に富んだブティックホテルが主流となってきている中で、ラグジュアリーホテルの魅力を改めて思い出させてくれるかのようにシドニーにオープンした「Crown Sydney」。海沿いのウォーターフロントであるバランガルーエリアに位置する大型ホテルです。お部屋も広くて開放感があり、“ご褒美”感はピカイチ!

窓からの眺めは開放感たっぷり。運がよければ、オペラハウスが見える角度のお部屋もあるそう。ちなみに、ホテルゲストならフリーでアクセスできるインフィニティプールからは、海につながって見える水面から美しい夕日が望めるので、滞在したら忘れずに訪れてみて。さらにスパやジムのみならず、テニスコートまで備えているそう!

ブッフェ形式の朝食も、ぜひ長めに時間をとってご堪能あれ。上質な洋食はもちろん、広大なスペースの中に飲茶やアジアンヌードル、インドカレー……など、オーシャンパシフィックの国々でおよそ朝食としてイメージしうるごちそうがすべて集まっている感じ(笑)の豪勢さでした。
Crown Sydney
https://www.crownsydney.com.au
タスマニアの歴史を宿した、
温もりあふれるシックな空間

のびのびと羽を伸ばしたタスマニアの滞在で大のお気に入りになったのが、州都であるホバートで2021年末にオープンしたばかりの「The Tasman」。起源は1840年代に遡るという歴史的建造物の遺構を残しながら改築した内装は、重厚感と華やかさが相まってとっても瀟洒(しょうしゃ)なムードです。

シックでクラシカルな魅力にあふれ、天井が高く悠々とした雰囲気。大理石とウッドが上手にミックスされ、自分のお部屋も参考にしたいと思うほどの居心地のよさでした。ホテル全体で3つのウィングに分かれており、それぞれのテイストのインテリアを楽しめるそう。スイートの中にはバスタブつきのルームもあるので、希望する場合は事前に確認して。

もしこのホテルを訪れるなら、レストランやバーもぜひ旅程の候補に。「Peppina」は、タスマニア出身でナポリ育ちの名物シェフが手がける、トラットリアスタイルのレストラン。タスマニア産の優れた食材を使い、ローカルならではのツイストを効かせた本格イタリアンが味わえます。私が訪れたときはとても人気で混み合っていたので、ぜひ事前に予約を。

夜の締めくくりはオーセンティックバーの「Mary Mary」で。地元のフルーツや地産のハーブを使うほか、州内外のめずらしいスピリッツを集めたライブラリーも備えているとか。カウンターに座るとわかる、テーブル備えつけのレザーの肘置きの快適さといったら! バーテンダーやスタッフの方々もとても気さくで楽しい方たちばかり。タスマニアの夜を、ムードたっぷりのフレンドリーな思い出にしてくれるはず。
The Tasman, a Luxury Collection Hotel, Hobart
https://www.marriott.com/en-us/hotels/hbalc-the-tasman-a-luxury-collection-hotel-hobart/overview
旅先での見聞を広めるための拠点となるホテル。心からくつろぎ、自らを解放するためには、目的に合った場所と雰囲気のところを選びたいですよね。値段や場所はもちろんですが、利用したい施設やレストランも視野に入れてセレクトしてみると、もっと自分らしく快適に過ごせますよ。
4回にわたりお届けしてきたオーストラリアでの“セルフリリース”の旅、いかがだったでしょうか? 次の旅先のヒントとしてはもちろん、記事を読んでいただくことで少しでもトラベル気分を味わっていただけていたら、うれしく思います。ぜひまた次の旅記事で、お会いしましょう!
Cooperation / Tourism Australia
Photos &Text / Misaki Yamashita
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山下美咲
旅好きエディター。翻訳小説の編集を経たのち、モード誌にてビューティー、ファッションの世界へ。旅好きが高じて『AMARC magazine issue01』では最旬の東京ガイドを、そして『AMARC magazine issue02』は佐賀と長崎の「触れる旅」企画ページを担当。冒険心にあふれるアクティブさを貫きつつ、モードなおしゃれで装う旅スタイルを模索中。
Instagram: @mskymst