1月6日(金)にAMARC CHANNEL(YouTube)から配信したライブ、「大草直子が50歳の記念に選ぶ時計は?!」のおさらいとともに、ライブではお伝えしきれなかった、それぞれの時計の魅力を深掘りする本企画。
ご紹介するのは、11ブランドから1本ずつ選んだ、11本の時計。見目麗しい意匠はもちろんのこと、耐久性や機能性、そして、その裏側にある歴史やクラフトマンシップまで。なぜ、美しい時計が、私たちの人生を照らし、支え、豊かにしてくれるのか、その理由を紐解きます。
―PANERAI―
ルミノール ドゥエ ルナ
イタリアのフェイレンツェにルーツをもつ「パネライ」。ケース径が大きくて分厚い=”デカ厚”ブームを牽引したブランドとしても知られていますが、そんなパネライから、性別を問わずにシェアしやすい、ルミノール ドゥエ ルナが誕生しました。
堅牢なミリタリーウォッチに
添えられた洗練とロマンティシズム
パネライは、イタリア海軍、主に特殊潜水部隊に精密機器を納入してきた歴史をもち、海に潜っているときにも視認性を確保できる大きなダイヤル、そして、水圧にも耐えられるようにしっかりと厚い、そんな海軍用の実用性を個性へと昇華させたタイムピースを多数リリースしています。
ルミノール ドゥエ は、1950年代にイタリア海軍のために製作されたパネライの傑作 ルミノール1950のデザインと特徴を再解釈し、モダンに進化させたコレクション。モデルによっては、ケースが従来よりも40%ほど薄くなっています。
ケースの形は、ラウンドとスクエアを合わせたようなクッション型。 ルミノール 1950から継承した、スクエアケースの4辺を膨らませたような柔らかなフォルムは、頑丈でありながら、穏やかな雰囲気と風情を感じさせる優雅さがあります。大草が選んだ、38mmというケース径は、ジェンダーレスなサイズ感でシェアしやすいのも特徴のひとつ。また、ケース横にセットされているリューズプロテクターも、ミリタリーウォッチの名残り。レバーでリューズを固定することによって、不意の衝撃からリューズを保護するブリッジ型の機構になっています。
ベゼルを備えた大型のダイヤルに、一体型ラグ(ケースとブレスレットを固定する部分)と、ルミノール1950からそのまま取り入れた要素が他にもあり、耐久性や防水性、視認性、夜光性、パワーリザーブにも優れています。しかしながら、機能性の高さを受け継ぎつつ、スリムに生まれ変わっただけでなく、ルミノール ドゥエ ルナにはポエティックな要素も加味されています。
ルナとは、月を表すイタリア語。そう、実用的な日付窓ではなく、月の満ち欠けを教えてくれる回転ディスク「ムーンフェイズ」が3時の位置にセットされているのです。24Kで表現された月にはクレーターまで点在し、ミッドナイトブルーの空には、細かい星も散りばめられています。また、9時の位置にセットされた「スモールセコンド(センター以外に配置された秒針)」の針はまるでカヌーのように膨らみのある形をしています。
ミリタリーウォッチを出自とした無駄のないプロポーションに、ロマンティックなアップデートを加えたルミノール ドゥエ ルナは、アクティブなカジュアルスタイルからエレガントなシーンまでマッチする汎用性の高さを持ち合わせています。
ライブでは、大草が、パネライの時計との出会いにまつわるエピソードを語る場面も。尊敬する憧れの先輩スタイリスト 大西真理子さんがずっとつけていた時計が、パネライだったのだそう。それを知って以来、パネライにも憧れを持つように。大西さんは、女性がメンズライクなアイテムをまとうというトレンドや、時計の”でか厚”ブームよりも、ずっと前からつけていらしたとのこと。いい意味でしっかりと重さのある時計は、つけたときにONのスイッチが入り、時間を楽しみ、慈しむことができる、という持論も語り、服飾ジャーナリストの山本さんからも「(時計は)人生に向かう姿勢を表現できる」というお言葉をいただきました。
― BRAND STORY ―
PANERAI
(パネライ)
はじまりは、1860年にジョバンニ・パネライが、イタリア・フィレンツェに創立した時計店。時計の販売だけでなく、修理部門を持つことで、イタリア初の時計技師学校としての役割を担ったり、独自の精密機器を開発するなど、事業を大きく拡大させた。1910年代にはイタリア海軍への時計納入業者に。1916年には、イタリア海軍のために開発した、強力に自発光する夜光塗料ラジオミールの特許を取得。1949年に特許を取得した、非放射性物質の蛍光塗料ルミノールとともに、パネライを象徴するコレクションにその名を冠している。東西冷戦の終結によって軍用時計の開発・製造という役割を終えたパネライは、1993年に、初の民間向け腕時計を発表。軍事機密というミステリアスなベールを脱いだ、機能的かつ個性的なタイムピースは、またたく間に世界中を虜にした。
Photographs / Keita Takahashi
Styling / Manami Sato(AMARC)
Edit & Text/Ayako Suzuki(AMARC)
※本ページに掲載している価格は、税込価格になります。
※価格は掲載当時の価格です。
※本ページにおける素材の略称は、YG=イエローゴールド、WG=ホワイトゴールド、PG=ピンクゴールド、SS=ステンレススチール、24K=24金になります。
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