1月6日（金）にAMARC CHANNEL（YouTube）から配信したライブ、「大草直子が50歳の記念に選ぶ時計は？！」のおさらいとともに、ライブではお伝えしきれなかった、それぞれの時計の魅力を深掘りする本企画。
ご紹介するのは、11ブランドから1本ずつ選んだ、11本の時計。見目麗しい意匠はもちろんのこと、耐久性や機能性、そして、その裏側にある歴史やクラフトマンシップまで。なぜ、美しい時計が、私たちの人生を照らし、支え、豊かにしてくれるのか、その理由を紐解きます。
―Cartier―
タンク ルイ カルティエ
高級ジュエラーとしてだけでなく、芸術的かつ実用性に優れた時計ブランドとしても、その名を轟かす「カルティエ」。今回は、大草が衝撃を受けたという、ブラックフェイスの「タンク ルイ カルティエ」をピックアップ。
伝統をモードに昇華した
革新的で鮮烈なタイムピース
「タンク」コレクションが誕生したのは1917年。第一次世界大戦を終戦に導き、「平和の象徴」とも言われた戦車「ルノーFT-17」がモチーフ。ケースのサイドとラグ（ケースとベルトを固定する部分）は、戦車のキャピタラ（車輪を繋げる銅板）から、文字盤とそれを覆うガラス、そしてストラップは、車体部分からインスピレーションを得ています。多くの可能性を秘めたこのタイムピースは、誕生以来、いくつもの派生モデルを世に送り出してきました。なかでも、「タンク ルイ カルティエ」は、創業者の孫であり、カリスマ的な経営者でもあった3代目、ルイ・カルティエが、自らの名を冠したほど、こだわったモデル。
大草は、2022年に発表された「タンク ルイ カルティエ」のラージモデルをセレクト。クラシックなイメージの強かった「タンク」コレクションのタイムピースが、こうもモダンになるのかと衝撃を受けたのだそう。文字盤は、数字も目盛りもない、シンプルを極めた漆黒。ドラマティックなイエローゴールドが、端正なレクタンギュラー（縦長の長方形）を際立たせます。まさに、クールでマスキュリン、そしてエレガントな一本に、一目見た瞬間から虜になったのだそう。
リュウズには、ブルーサファイアがセットされています。サファイアは、古くから、繁栄をもたらすお守りとして大切にされ、誠実さの象徴とも言われています。また、サファイアの周りに配されたカボション（パール状の飾り）の繊細さからも、世界的なジュエラーの美意識をうかがい知ることができます。
ライブで大草は「カルティエは、そのジュエリーにも時計にも、多くの人が憧れを抱きます。それはすなわち、これまでに、たくさんのストーリーが育まれてきたということ。私も、初めてのカルティエ、初めてのタンクとして、次の51歳の記念に欲しいと思った」とコメント。クォーツ式のタンクをお持ちだという、服飾ジャーナリストの山本さんからも、「今回のタンク ルイ カルティエは機械式の手巻きですが、タンクにはクォーツ式のほか、ソーラーパワーで動くタイプも発表されています。素材もムーブメントもサイズも、かなり種類が豊富なので、ぜひ、自分好みの1本を見つけて」とコメントくださいました。
― BRAND STORY ―
Cartier
（カルティエ）
1847年にルイ=フランソワ・カルティエが創業したフランスの高級宝飾メゾン。創業者の孫であり、3代目でもあるルイ・カルティエの時代に世界的なジュエラーとしてその名を馳せ、数多くの王室御用達の特許状を受ける。ルイ・カルティエは時計制作にも注力。ジュエラーとして培ってきた金属加工の技術を時計製造にも活かし、独自のデザインを生み、特許の取得にも精力的に取り組んだ。1904年には、ブラジルの富豪であり飛行家でもあったアルベルト・サントス＝デュモンの依頼によって、腕時計サントスが誕生。ケースとラグ（ケースとベルトを固定する部分）を一体化させた、斬新かつ実用的なデザインで、1911年には世界初の男性用腕時計として一般販売された。その後も、優れた技巧とフレンチメゾンらしいエスプリを効かせたコレクションをいくつも発表。いずれも、時代を超越した美しさを持ち、今なお、世界中の人々を魅了している。
Photographs ／ Keita Takahashi
Styling ／ Manami Sato（AMARC）
Edit & Text／Ayako Suzuki（AMARC）
※本ページに掲載している価格は、税込価格になります。
※価格は掲載当時の価格です。
※本ページにおける素材の略称は、YG＝イエローゴールド、WG＝ホワイトゴールド、PG＝ピンクゴールド、SS＝ステンレススチールになります。
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