1月6日(金)にAMARC CHANNEL(YouTube)から配信したライブ、「大草直子が50歳の記念に選ぶ時計は?!」のおさらいとともに、ライブではお伝えしきれなかった、それぞれの時計の魅力を深掘りする本企画。
ご紹介するのは、11ブランドから1本ずつ選んだ、11本の時計。見目麗しい意匠はもちろんのこと、耐久性や機能性、そして、その裏側にある歴史やクラフトマンシップまで。なぜ、美しい時計が、私たちの人生を照らし、支え、豊かにしてくれるのか、その理由を紐解きます。
― Grand Seiko―
ヘリテージコレクション
日本が世界に誇る腕時計ブランド「グランドセイコー」。ヘリテージコレクション SBGW291は、グランドセイコーのデザインのルーツになっているモデル「44GS」を、モダンに進化させた1本。
腕時計の本質を追求した、
“クワイエット・ラグジュアリー“ウォッチ
1960年に誕生し、2017年にはセイコー傘下の1ブランドから、単独ブランドとして独立した「グランドセイコー」。ライブでは、服飾ジャーナリストの山本さんが、グランドセイコーのアメリカでの評価にまつわるエピソードを教えてくれました。「単独ブランドとして独立したタイミングあたりから、アメリカで非常に人気のあるブランドとして成長し始め、近年では、海外の時計専門誌のランキングで上位にランクインしています。グランドセイコーは、ムーブメントの開発から設計、製造、組立、調整、検査、出荷までをすべて自社で担っています。アメリカの若い世代が、従来のブランドとはまた違う、自分たちの美意識を反映できる時計ブランドを探し求めたときに、グランドセイコーのクラフトマンシップや日本の美しい四季を反映させたデザインがフィットしたのだと思います。セイコー・ウォッチの内藤社長に、グランドセイコーの成功の秘訣をインタビューした際、『グランドセイコーは、アメリカに“クワイエット・ラグジュアリー”という概念をもたらした』と語っていました」(一部抜粋)
グランドセイコーは、その精度の高さのみならず、端正な外装やデザインでも高い評価を得ています。これは、1967年に発表された「44GS」から受け継がれる、9つのデザイン文法「セイコースタイル」に拠るもので、大草が心惹かれたヘリテージコレクションも、そのセイコースタイルに則っています。
ヘリテージコレクションのケース径は36.5mm。これまでの「44GS」史上最も小さいサイズです。男女問わないミドルサイズ、スマートな薄さ、そして、日付窓のないすっきりとしたシルバーダイヤルに、同色のクロコダイルのストラップ。全体がグレートーンでまとまっていて、凛とした上品な印象を醸します。こういったシンプルでクラシカルな腕時計こそ、作り込みや仕上げに差がでますが、そこは「セイコースタイル」を確立してきたグランドセイコー。歪みのない美しい鏡面と角を磨き上げる「ザラツ研磨」をはじめとする高度な匠の技により、鏡面が放つ光と、立体的なステンレススチールが落とす影をコントロールし、シャープな造形美を体現しています。
もちろん、その意匠の美しさのみならず、精度の面でも「ものづくり」のグランドセイコーらしい仕上がり。機械式の手巻きタイプのムーブメントは、約72時間のロングパワーリザーブ。防水性は10気圧。重量も66gと軽やか。
ライブ中、大草も「すごく軽い! 繊細な面取りや切り込みが施されたインデックスは、視認性が高く、”腕時計の意義”がきちんと考えられています。仕事をするときに、時間をしっかり管理したい、華美な印象を排したい方にもおすすめ。手首が細く、リーチが短い日本人の腕にも馴染みやすいですね」と、熱く語っていました。
― BRAND STORY ―
Grand Seiko
(グランドセイコー)
1960年、スイス製が高級腕時計の代名詞とされていた当時、「世界に挑める、国産最高級の腕時計をつくる」という志のもと、誕生した。1967年には、スイスの天文台コンクールで上位を独占するようになり、名実ともに世界の頂点を極めた。その後も、紆余曲折を経ながら、「正確さ」「美しさ」「見やすさ」そして「長く愛用でき」「使いやすいこと」という、腕時計の本質を徹底的に追求し、着実に歩みを進めてきた。機械式とクオーツのハイブリッド化により開発された駆動方式「スプリングドライブ」や、時計の針に多面カットを施す「匠の技」など、その高い精度や繊細な美意識ひとつひとつが、世界中の時計ファンの心を鷲掴みにしている。
Photographs / Keita Takahashi
Styling / Manami Sato(AMARC)
Edit & Text/Ayako Suzuki(AMARC)
※本ページに掲載している価格は、税込価格になります。
※価格は掲載当時の価格です。
※本ページにおける素材の略称は、YG=イエローゴールド、WG=ホワイトゴールド、PG=ピンクゴールド、SS=ステンレススチールになります。
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