1月6日（金）にAMARC CHANNEL（YouTube）から配信したライブ、「大草直子が50歳の記念に選ぶ時計は？！」のおさらいとともに、ライブではお伝えしきれなかった、それぞれの時計の魅力を深掘りする本企画。
ご紹介するのは、11ブランドから1本ずつ選んだ、11本の時計。見目麗しい意匠はもちろんのこと、耐久性や機能性、そして、その裏側にある歴史やクラフトマンシップまで。なぜ、美しい時計が、私たちの人生を照らし、支え、豊かにしてくれるのか、その理由を紐解きます。
―HERMÈS―
ギャロップ ドゥ エルメス
時間を確認するための単なるツールではなく、感情を呼び覚まし、時と戯れ、一瞬一瞬を特別なものにしてくれるオブジェとしてデザインされている、「エルメス」の腕時計。名作がいくつもありますが、その中でも大草が心惹かれたのは、ギャロップ ドゥ エルメスでした。
ダイナミックかつ軽やかに。
時と戯れ、豊かな時を刻むための
タイムピース
2019年に発表された、ギャロップ ドゥ エルメス。ラウンドでもレクタンギュラー（縦長の長方形）でもない、その遊び心のあるケースデザインに視線が奪われます。デザインを手掛けたのは、カリフォルニア出身の気鋭のデザイナー イニ・アーシボング。パリ郊外にあるエルメスのコンセルヴァトワール（アーカイブを保管している施設）を訪れて、デザインの着想を得たのだそう。
その特徴を紐解くと……。まず、ケースは、馬に乗る際に人が足をかける「鐙（あぶみ）」を象ったもの。流線型のケースは、上下で長さが異なるだけでなく、横から見ると上部から下部にかけて徐々にケースの厚みが増すようにデザインされています。この独特のフォルムが上品で柔和な雰囲気を醸すとともに、心地いい装着感をもたらしてくれます。
文字盤に描かれたインデックスのフォントもエルメス独自のもの。ぐるりと一周するにつれ、数字が広がり、そして、また小さく細く変化。ギャロップのスピード感や奔放さを彷彿させます。さらに、数字の8は、鐙（あぶみ）を逆さにしたデザイン（8の数字の上部＝平たくなっているところが、人が足を乗せる部分）、という遊び心も。
リューズはサイドではなく、6時の位置に配置。エルメスの手仕事を感じる、繊細で丈夫なレザーストラップは、12時側はケースと一体型、6時側はクラシカルなワイヤーラグで固定されています。人間工学に基づいた緻密な設計で、手首に乗せた際の安定感やフィット感も抜群です。
このギャロップ ドゥ エルメス。ライブの最後には、服飾ジャーナリストの山本さんから、30歳のAMARC編集部スタッフにリコメンドしたい時計として選ばれました。「スマートフォンで見る時間と、自分の腕元で刻まれる時間は、もっている意味がまったく違う。まさに、時間と時刻の違い。これから先の人生、豊かな時を刻むためにも、”良い時計”をぜひ。ギャロップ ドゥ エルメスは、精度が高く、正確に時を刻んでくれるクォーツ式。さらに、デザインにも個性がしっかりあります。そんな、ギャロップ ドゥ エルメスを、ぜひおすすめしたい」とコメントをいただき、AMARC編集部員の30歳の2人が胸を熱くする場面もありました。
― BRAND STORY ―
HERMÈS
（エルメス）
1837年創業。フランスのパリで、ティエリ・エルメスが馬具の製造工房を開設したところから、その歴史は始まる。優れた技術力で生み出される魅力的な馬具は、世界中から高い評価を受け、その名を広く知らしめた。20世紀前半からは、馬車から自動車の時代に移り変わることをいち早く予見し、事業を多角化。馬具工房というルーツを生かしながら、バッグや財布などの皮革製品の製造へとシフトし、世界最高峰の皮革ブランドとして確固たる地位を築き上げた。腕時計の制作に本格的に参入したのも、ちょうど馬具製造からバッグや財布製造へとシフトしていた1920年代。革製品の加工を得意とするエルメスの腕時計は、美しく丈夫な革ベルトをはじめ、これまでの腕時計の概念にとらわれない斬新かつ洗練されたデザインで、多くの人を虜に。1978年にはスイスのビエンヌに時計製造のための小会社を設立。製造技術を高めながら、個性が光る名作を世に送り出している。
Photographs ／ Keita Takahashi
Styling ／ Manami Sato（AMARC）
Edit & Text／Ayako Suzuki（AMARC）
※本ページに掲載している価格は、税込価格になります。
※価格は掲載当時の価格です。
※本ページにおける素材の略称は、YG＝イエローゴールド、WG＝ホワイトゴールド、PG＝ピンクゴールド、SS＝ステンレススチールになります。
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