
自分の中に、どのくらい違うキャラクターを認めますか? 凛とした自分、わがままな私、正しくありたいと思うときだって。だいたい3つくらいでしょうか。時と場合、そして対峙する相手によって、さまざまなキャラクターが形を変え、ミックスされ出てくるような気がします。
そのキャラクターを映す靴はあったら、毎日のコーディネートにも迷わないはず。そう、靴は、とても小さな面積ではあるけれど「今日のおしゃれはどの人格でいくか」の舵を切る、とても大切なアイテムなのです。
この春は、履ける靴、履きたい靴が限られてはいるけれど、やっぱり来る日のために、と3種類のはっきりした人格をもった靴を揃えたのでした。
カジュアルで気楽で、そしてどこか実はモード――なスニーカー。今季買ったものではありませんが、私のスニーカーはナイキオンリー。あ、コンバースはあるけれど。今はちょっとお休み中。なぜナイキ? 高校生から好きだから、としか言えないのだけれど、あえて言うならハイテク具合がちょうどいい、という感じでしょうか。スニーカーは、私の中では非日常。ちょっとキメすぎてる? マダムっぽい? ベーシックすぎた? ときに、「遊び」、「はずし」で加えるもの。アナログすぎると、遊びやはずしにならないし、ハイテクすぎると、浮いてしまう。ナイキがちょうどいい。足にも合うし! 買うときはエストネーションなど、普段の服を買うセレクトしショップで、のことが多いです。
今年らしさを目いっぱい詰め込んで、少しきちんとした場面にも使える1足は、ジャンヴィト ロッシのストラップパンプス。エッグシェル色、太めのスタックドヒール、ポインテッド、アンクルストラップ――と、好きなテイストがすべて入っていた(笑)。「高っ」と思いながら、このブランドの靴は、結局ものすごく使えることを知っているので冬の終わりに買いました。花柄のワンピースや、ずっと好きなミモレ丈のスカート。もちろんデニムや太目のパンツにだって合い、かつ「今っぽさ度」をぐんと上げてくれる。ヒールが太いから、歩きやすいのはもちろん、エレガントになりすぎないのも◎。ラクロスで鍛えた筋肉質のふくらはぎに、細いヒールではバランスがとりづらいけれど、スタックドヒールは取りやすいのも選んだ理由です。

最後に、ヴェルメイユ パー イエナでオーダーした、スペルタのバレエシューズ。男っぽく見えますが(あ、実際中身もそうだけど。対して夫はものすごくフェミニン。()内が長くなるのは申し訳ないけれど、だからマスキュリンな男性は好きになったことがない(笑))、甘い少女趣味もひそかに持っているため、その見えづらい部分を真っ赤なバレエシューズに。本物のトゥシューズのようなスクエアなつま先、フレッシュでドラマティックな赤。履き口が浅い色っぽい仕立て。これは少し短いデニムの足元に合わせたい~~~! あとはカーゴパンツやレザーのパンツも。思いっきりメンズらしくに仕上げて、最後、足元だけこの1足。みたいなスタイリングにしたいな、と妄想しています。

上質な靴は素敵な場所に連れていってくれる。
早くこの靴たちを履いて、大好きな友人たちに会いに行きたいな、家族でお出かけがしたいな、心から大事にしている仕事に向かいたいな――と思いながら、眺めています。