Blog 大草直子の毎日AMARC

食と酒と人と―― 金沢が「素敵な理由」vol.1

インスタライブ、ご覧頂けましたか~~~? 初めての、東京以外からのライブ。「新しい日本酒と金沢イノベイティブ食のマリアージュ」というタイトルが物語っていますね、金沢の美しい本質を。そう、マリアージュなんです! 人と人。食と酒。外国と金沢、過去と現在――こんなふうに、あらゆる才能や文化、時間軸が自然に融和し、ドラマティックなケミストリーが起きる場所です。今回は取材、という目的で寄せて頂きましたが、絶対に状況が良くなったら再訪したい♡ そんな気づきの2日間を、2回に分けてご紹介しますね。3回目は、オススメの金沢アドレスも予定しています!

金沢の桜は満開手前、という最高のタイミング。東京駅から金沢駅まで新幹線で。2時間半ほど、車窓からののどかな景色を眺めながら、考えることは「何食べよう(笑)」。2回夕飯を経験できたら最高、2泊3日あればパーフェクトですね。

眠る間もなく到着し、そのままの足で向かったのは小道具・器・きもの「きりゅう」。20年前に金沢市三口新町にオープンした、というこじんまりしたお店ですが、「宝の山!」です。

素敵なマダムに「器はね、日常にたくさん使ってあげれば良いのよ~」「小難しいルールはいらないの。自由に楽しく――が大切」と背中を押してもらい、人生初めての「骨董」を購入。

我が家のテーブルには、グレーやネイビーと言った、服でいう「ベーシックカラー」がたくさん並びます。「きりゅう」で買った、九谷焼の華やかな赤や、淡路島発祥の珉平焼きのシトラスカラーは、きっと「差し色」になってくれるはず! そう、グレイッシュな全身に、真っ赤なリップやネオンイエローのバッグが圧倒的に「効く」ように♡ 輪島塗のお椀など、マダムと話しながら「器を選ぶこと」のなんと楽しいことか! 

ふふ、「器の沼」にずぶっと、足を踏み入れました。時に、六本木ミッドタウンの福光屋でポップアップもやっているそうです。あ、もちろんオンラインストアもありますので、気になる方はぜひ。

  • シルバーヘアが素敵なマダム。器、骨董への愛情溢れる、流れるようなお話しを真剣にメモ。
  • 私が買ったセット。輪島塗の盆と九谷焼の中皿、珉平焼きの小皿。見ているだけでワクワク。
  • 入り口を入ると、マダムのセンスが私たちを迎えてくれます。組み合わせ、コーディネートが本当に素敵!


その後は、辻和美さんの世界観と美意識、そして「好き」がぎゅっと詰まった「factory zoomer/shop」にストップバイ。

彼女のガラス作品の多くのが「数か月~数年待ち」。タイミングが良ければ、そのショップで見つけた作品を「連れて帰る」こともできます。私は、辻さんがデザインし、木村硝子店とコラボレーションしたステムグラスを2脚購入。夫と自宅で飲むときに使おうかなあ! と。ナチュールとか良いかも。ブランデーやカルヴァドスなどもきっと素敵。あえて形を変えたから、テーブルセットがリズミカルになりそう!

  • 私が購入したのは、棚の2段目に並んでいるグラス。お酒はもちろん、アイスクリームやヨーグルトを入れても良さそう!
  • 店内の隅々まで、辻さんの世界観を感じられます。


お待ちかね! のランチは、「factory zoomer/shop」から歩いてすぐの「穂濤(ほなみ)離れ」へ。

2016年のミシュラン金沢で2つ星をゲットした名料亭「穂濤」のカジュアルスタイル「穂濤 離れ」。金沢や岐阜の材を使ったクリーンな店内、大きな窓ガラスの前に広がる水鏡。もちろん「穂濤」の庭の借景も楽しめて最高♡ 今はランチだけの営業だそうですが、夜も絶対に来たい! 料理は「穂濤」と同じキッチンで作られる「くずし懐石」。くずし、とは言ったって、意匠を凝らし繊細に盛り付けた料理はおいしい~~~~、の一言。いやあ、目にも胃にもおいしいとは、こういうことですね。犀川の目の前、小雨に煙る川沿いの桜も楽しめて、「金沢ってなんでこんなに楽しいの? おいしいの?」と同行した、編集部の鈴木と何度もつぶやきました(笑)。

  • 先付、前菜、向付。なんと美しいことか。午前中に美しい器をたくさん見たこともあり、器とお料理のコンビネーションにも目がいきます。
  • 「穂濤」の庭の借景。大きな窓から、本館とは違う角度で眺めることができるのも、また風情があります。


はい、おいしくて楽しい仕事が続きます。フィニッシュはインスタライブ。

金沢市の隣り、白山市に位置する「吉田酒造店」の代表、吉田泰之さん(写真真ん中)と、金沢片町の中心にあるビストロ「フィルドール」のオーナーシェフ、田川真澄さん(写真左)と。ぴしっと気持ちの良い男性2人とのコラボレーション――ワクワク(笑)。手取川に代表される吉田酒造店の日本酒3種類にインスパイアされた、田川さんの1品×3。「え、それを味わいながら感想を述べさせて頂くお仕事ですか???」最高(笑)。

あ、でもね。私、日本酒が「飲まず嫌い」。ワインも焼酎も、ビールはもちろんシャンパーニュでしょ、ウィスキー、テキーラ、全部好きですが、日本酒は「悪酔いする?」「食事と合う?」と敬遠していました。が、吉田さんに選んで頂いた3種の日本酒のまああああああ、おいしいこと。いやあ、驚きました。

もちろん田川さんの一皿も。私的なベストは日本酒の古酒と田川さん肝入りの「フィルフィル」のフキノトウとたまり醤油が入ったチョコレート。これ、結構「私的お酒邂逅録」の中でも1位2位を争う組み合わせ! どちらもオンライン販売はしていないの。金沢にいらっしゃるときにぜひ。あ、吉田酒造店は「電話注文」は受けているそうです。ほか2種類の詳しい話は、IGTVを! カウンターのみ、自然派ワインも揃うフィルドール、次回は絶対に行こう。

  • 吉田さんが選んでくださった3種の日本酒。どれも最高に美味しかった♡
  • フィルフィル」のフキノトウとたまり醤油が入ったチョコレート。パッケージも、金沢の器作家森下さんとコラボレーション。石川県に生息する植物を散りばめたのだとか。
  • 田川さんが用意してくださったのは、地元の作家さんに作っていただいたという器、グラス、そしてカトラリー。味はもちろん、視覚や触覚を含めた、五感で食事を楽しめる心遣いに、心から感動。


この長文。私がどれだけ金沢に感動したかわかって頂けるかと(笑)。この感動記録、明日公開の2回目に続きます! お楽しみに~。