Everyday happy大草直子の毎日AMARC

2021.07.02

マスクをしていても。 自分のためにフエギア1833の香り

ニット/カレンソロジー キャミソール/ハンロ

マスク生活も、既に1年を超え、正直without マスクで外を歩けるのも、まだ見えない現状。鼻は覆われていますが、毎朝香水は欠かしません。誰に香るわけでもなく、自分のために。だからなのか、香りの選び方とつけ方が変わりました。今まではウッド系のマスキュリンなタイプを好んでいましたが、今は、もっと複雑な香りに心が動きます。つけ方も、手首やデコルテから、髪の毛やうなじに。「マスクなし」で近くに存在する人と自分のために――。

今愛用しているのは、「パルファン ビブリオテカ バベル」。「せかほし」でも取材させてもらった、ジュリアン・ベデル氏がオーナー調香師を務めるフエギア1833のもの。ジュリアンが生まれ育ったアルゼンチンの作家、ホルヘ・ルイス・ボルヘスが著した「バベルの図書館」からインスパイアされたそう。

ヒノキの書棚。

濃厚なインク。

革張りの椅子。

そんな遠い昔の記憶の断片が、香りの奥に潜んでいるような。この香りを、髪をかきわけて遠目からふわっとひと噴き。さらに、指に吹き付けてから、耳の裏からうなじをしっとりさせて。

きっとこれは、私のとって、朝のセレモニー。ぐいっと急にアクセルを、というよりは、気負いなく「仕事という世界」に出かけるイメージ。なんかこのくらいがちょうど良いのです。

「どこの香りですか?」マスクをつけているのに、ふとした瞬間に聞かれるのも、とても不思議です。

もちろんたまに、同じくフエギア1833の「NAOKO OKUSA」をつけることも。これは、友人でもあるジュリアンが、私のために作ってくれた香り。

さらに言うと、どんな香水の前にも、必ず「ムスカロ フェロ ジェイ」を子宮のあたりに忘れずに。このつけ方はジュリアンに直接教えてもらいました。フェロモンと類似した分子構造をもつ「香りのない分子」を採用。強く香る、というより、その人の体温や体臭を引き出し、「オリジナルのフェロモン」になる、とのこと。強い香りで異性を惹きつける、というよりも、自分が自分の魅力に気づき、深く感謝する、みたいなイメージでしょうか。ジュリアンの知人は、この香りをまとったことで「パートナーができた」のは、うそのような本当の話。

こんなふうに必ず香りはレイヤーして。

今日も私が私であるために。

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