Blog大草直子の毎日AMARC
4月25日(土)に大草の自宅で開催したインスタライブ。いただいたご質問にお答えするかたちで進行した結果、1時間に渡る長いライブに! たくさんのことをお伝えしたので、本日から3回に分けて、まとめ記事をお届けします。まずは「本当に自分に似合う服の見極め方」について。
Q:本当に自分に似合う服の見極め方を教えてください。
A:5つのステップで整理してみて!
このご質問は、「好きな服と似合う服が違う」「好きな服と似合う服のどちらを優先したら良いの?」ということを含め、トークショーでもよくご質問いただく、永遠のテーマ。おしゃれに正解はなく、これが絶対というものはありませんが、大草自身が、物心ついたときから服を選び、着続けてきた経験と、スタイリストとしてたくさんのモデルに服を着ていただくなかで、どうしたらその人が美しく見えるかという視点、そして、編集者として、それをどうやって伝えたら分かりやすいか、を考えてまとめた、5つのステップをご紹介します。
STEP 01
「かわいい」or「かっこういい」
どちらを言われて嬉しいかを考える
どちらを言われて嬉しいかを考えることにより、自分が目指す方向を定める。
ex)大草の場合:「かっこいい」
STEP 02
素敵だと思う著名人をリストアップ
外国人でも日本人でも。女性でも男性でも。どんな方でも良いので、素敵だなと思う方をリストアップする。
ex)大草の場合:キャサリン・ヘプバーン
STEP 03
「素敵だと思えるところ」
「なぜ素敵だと思うのか」を
できるだけ細かく書き留める
ex)キャサリン・ヘプバーンの場合
・そばかすがあるところ
・自然体なところ
・大きく、眩しい笑顔
・ゆるいまとめ髪
・自転車に似合う服を着ているところ(洗いざらしのダンガリーシャツ、はき古したチノパンツ、キャンバスのコットンスニーカー、大きなかごバッグ)
・ドレスアップもカジュアルも上手(当時のハリウッド女優は、きらびやかでゴージャスな生活をしている人が多かったが、彼女は畑仕事をしたり、料理や読書を好んでいた。ダンガリーシャツにチノパンツのカジュアルスタイルがサマになるだけでなく、ローブデコルテのブラックドレスもとても素敵に着こなしていた。ONとOFF、カジュアルとドレスアップ、どちらも上手で、振り幅が広い)
・シャツの着こなしが上手(メンズアイテムやマスキュリンな要素も彼女らしく取り入れていた)
素敵だと思うところを明確にすることで、自分が拾うべきポイント、捨てるべきポイントがはっきりとし、自分の目指す女性像がクリアに。
ex)大草の場合:肉感的なセクシーさは求めていない。エレガントやシック、いつも佇まいが美しい、というのも違う。
STEP 04
イメージに合う服を、
2割残すイメージで断捨離する
9頭身で、顔が小さくて、脚が長くてまっすぐなモデルであっても、その人にとびきり似合う服は、2割ほど。
例えば、10枚洋服があるとしたら、
2枚は「とびきり似合う服」
=目指す女性像に合っている服
3枚は「絶対に手を出してはいけない服」
=目指す女性像に合っていない、そして自分の体型に合っていない服
残りの5枚が「そこそこ似合う服」
=決して似合わないわけではないけれど、着るとなぜか落ち着かない。とびきり素敵な服に比べると、気持ちもおしゃれの偏差値も少し下がる。
に分けられます。この「そこそこ似合う」5枚の服をいかに減らせるかで、本当に自分に似合う服を見つけられるかどうかが決まる。見極め方は、自分に似合う、似合わないではなく、目指す女性像に合うか合わないかで判断を。
大草の場合、絶対に手を出さないと決めているのは「膝が出るスカート」と「スキニーパンツ」そして「厚手のパーカ」。丸くて大きい膝が如実に出てしまうことに違和感を覚えるため、膝が出るスカートとスキニーパンツは選ばないのだそう。また、ブリジット・バルドーがはいていたような、ギンガムチェックのハイウエストのスキニーパンツも、大草の理想とする女性像には合わない、そして体型に合わない、という理由から選ばない、とのこと。
厚手のパーカを着なくなったのは、40代になってから。パーカのカジュアルなフォルムと大人になった自分の顔がどうしても合わない気がして、着ている自分を好きになれないから、なのだそう。フードがついていると、自分の好きなパーツ=鎖骨が隠れてしまう、ということも着ない理由の一つに。ただ、最近良く着ているZARAのスウェットは、鎖骨やデコルテが見え、気持ちを上げてくれるのでお気に入り、とのことでした。
着ないままの洋服が、クローゼットの中で生きている、ということの方が辛いので、自分の条件に合うかどうかをしっかり見極め、洋服のセカンドライフを考えることも大切。例えば、寄付をしたり、フリーマーケットサイトを活用したり、友人に譲るなど、その方法はさまざま。「痩せたら着る」と思って、とっておいた洋服も、2年前のものなら、第2の人生を考えてあげるのも良いかもしれません。
STEP 05
2割の服を着て、写真で判断
とびきり似合うと思った、2割の服を着て、友人やご家族など、他の人に写真を撮ってもらい、似合うかどうかを客観的にも判断しましょう。似合う、というのは、客観的な目が入ってこそ言えるもの。残った8割の服も、理想の女性像に当てはめたり、写真を撮って客観的に見ることで判断を。
以上が大草が伝えた5つのステップ。手書きのボードを見直したいとのリクエストにお答えして、ステップごとに、手書きのボードの言葉を引用してまとめました。
ただ、とびきり似合うと思った2割の服でも、それを単にそのまま着て、「似合う」というのは難しい、と大草。と言うのも、既製の洋服は、サイズも素材も不特定多数の人に向けられたものだから。洋服がお店でハンガーにかかっている状態よりも、自分が着た時のほうが圧倒的にかっこうよく見える、それが似合うということ。正しいアイテムを手にするのと同じくらい、その着こなしをとことん考える、という作業は大事、とのことでした。
例えば、シャツを大草が着るなら、
・袖は肘まで大胆にまくる
自分の好きなパーツ=肘から下の筋っぽいエリアを見せる
・フロントのボタンは第3ボタンまで開ける
胸の位置が下がり、首に筋が入って、鎖骨が出てきたデコルテを美しく見せるため。開きが気になる方は、中にキャミソールではなくタンクトップを着用して。
・えりはラフに柔らかく
えりは1度立て、手でくしゃっと潰す。さらに、首の後ろでしごくと、自分の首に沿った形で柔らかく立ちあがる。
このひと手間が、服を自分に引き寄せる=服が似合う、に近づく鍵。既製の服に自分を当てはめるのではなく、服が自分を引き立てるように着方を工夫して。
おしゃれは、楽しく、ワクワクするもの! 好きな服を自分に似合うように引き寄せていきましょう。好きな服が理想の女性像と合わない場合は、女性像をもう一度考え直すのもおすすめ、とのことでした。
ちなみに、本日のお酒は、ジョージ・クルーニーが手掛けたテキーラ「カーサミーゴス」をソーダで割り、オーガニックのレモンを加えた、テキーラ版ハイボールでした!
次回は、明日4月29日(水)公開予定。「楽だけれど、ラフすぎないきれいめカジュアルは?」「リゾートでのデニムを活用したカジュアルコーディネートは?」などのご質問への答えをお届けします!